ガスカートリッジの話

キャンプあれこれ

カートリッジをセットするだけで準備が終わるガスランタンやガスバーナー。
その手軽さでビギナーからベテランまで幅広い層で支持されています。
しかし燃料であるガスについて理解している人は少ないのではないでしょうか。
ガスは匂いがつけてあるとは言え目に見えない気体です。扱いを間違えると爆発や一酸化中毒等の大きなトラブルに直結します。
そこで今回はガスやカートリッジについて書きたいと思います。

ガスカートリッジの種類

アウトドア用のガス器具用のガスカートリッジには2種類があります。
・CB缶
・OD缶

CB缶

CB缶は“Cassette Gas Bombe”の略称です。
家庭で使用するカセットコンロで使用する細長い円筒形のガスカートリッジです。
おしなべて軽量で扱いやすくなっています。
CB缶はカートリッジを構成する部品が多く、また本体金属板が薄いので高い内圧になるガスには不向きです。
カートリッジのサイズはJIS規格で規定されていますが、最近はカートリッジ本体の長さが短いものも散見します。

【カセットコンロとカートリッジの規格】 カセットコンロとカートリッジは1991年に日本工業規格において初めて規定されましたが、当時は複数の規格が登録されている状態でした。しかし1995年の阪神淡路大震災を経て一つに統一されました。 これは被災者間や救援物資でボンベの互換性がなくコンロが使えないという事態が多発したことによります。

OD缶

OD缶は“OutDoor”の略称であり、特にアウトドアでの使用に特化されたガスカートリッジです。
本体金属板が厚く、使用するパーツも少ないので比較的高い内圧にも耐えることができ、そのため安定した火力を得ることができます.
ただ収納のし易さはCB缶に分があります。

CB缶とOD缶の比較

CB缶OD缶
火力低い高い
サイズ統一
*本体の長さが短いものがある
三種類
対内圧耐久性低い高い
値段比較的安価比較的高価

一般的にCB缶はOD缶に比べて寒冷時に安定した火力を得ることができません。
これは構造上内圧が高くなるガスを充填しづらいことと、それ故ドロップダウンが起こりやすいということにその理由があります。寒冷時の火力に関しては後述します。
(ドロップダウンとは液状のガスが気温や気化熱によるカートリッジ本体の冷却で気化しにくくなり十分な火力が得られなくなる現象を言います)


ガスの種類

ガスカートリッジに充填されているガスには以下の種類があります。
①液化ブタン
②液化イソブタン
③液化プロパン

ガスの特徴

3種類のガスの特徴を表にまとめてみました。

液化ブタン液化イソブタン液化プロパン
沸点-0.5℃-11.7℃-42.1℃
寒冷時火力
内圧

これら3種類のガスが単体、もしくは混合され“液体”の状態で充填されています。

寒冷時における火力について

上の表の“沸点”をみるとガスによってかなり違います。
沸点は液化しているガスが気化する温度です。それよりも温度が高ければ高いほど気化は盛んになり、膨張してタンク内の圧力を高めます。この圧力によりガスがバーナー部に届いて燃焼し、バーナーやランタンが機能するわけです。
逆に言うと、気温が沸点よりも低い場合、タンクの中のガスは気化せず器具は機能しません。
したがって、充填されたガスの沸点が低ければ低いほど外気温の低い環境に強いということができます。
液化ブタンの沸点は-0.5℃です。
冬の日本のキャンプ場ではこの気温はそう珍しくありませんね。
つまり、液化ブタンが充填されたカートリッジでは冬のキャンプでは火力が弱く使いづらいということになります。

他のガスはイソブタンが-11.7℃、プロパンが-42.1℃となっています。
したがって、プロパンであれば日本全国どこでも気温に左右されないで高い火力が得られます。

ではプロパンガス100%のガスを充填すれば良いのでしょうか?
答えはYESでありNOです。
プロパンガスは沸点が低いのでそれ以上の気温では常に気化し続けようとします。
つまりカートリッジの内圧を上げてしまうのです。そのため内圧の上昇に耐える丈夫なものである必要があります。

そこで現在行われているのはガスを混合して充填する方法です。
沸点の低いガスを混ぜることで内圧が低くても寒冷時に安定した火力を得ることができます。
ノーマルCB缶はブタン、パワーCB缶はイソブタンやプロパンを混合することでより低い気温でも使えるようにしています。
OD缶は丈夫なのでイソブタンやプロパンの割合が高く、より低温でも安定した火力を得ることが可能になっています。(OD缶の中には100%プロパンガスのものもあります)

さらに液化ガスが気化するときに“気化熱”を奪い、ガスカートリッジの温度を下げてしまいます。
ガスランタンやバーナーを長時間使うとカートリッジが冷たくなってしまうことを体験された方も多いと思いますが、これも外気温と同様ガス器具の火力を下げる原因となります。

ガスカートリッジ選びのポイント

ガスカートリッジを選ぶ際のポイントを大まかに表にしました。
メーカーごとにガスの混合比率が異なりますので、あくまでも目安にしてください。

10℃以上10℃〜−10℃-10℃以下
ノーマルCB缶△〜☓
パワーCB缶○〜△
ノーマルOD缶
パワーOD缶

*スーパー等で安価に購入できるCB缶の場合は充填されているガスがほぼブタンガスになっています。
したがって、寒冷期や標高の高い土地での使用には不向きです。

ガスカートリッジを選ぶ際に気をつけなければならないこと

ガスランタンやガスバーナー等のガス器具に使用するカートリッジは、以下の理由によりメーカーが指定するものを選ぶようにしましょう。

①ガス器具の故障や事故時の補償はメーカー指定のガスカートリッジを使用時においてのみ受けることができる。指定外のカートリッジを使用していた場合は補償の対象外となる。
②ガス器具は指定されたカートリッジのガス混合比において性能が発揮できるよう作られている。

以上ガスカートリッジについて書いてきましたが、基本的にはメーカーが指定するガスカートリッジを使用することがベストです。
多少コストは高くなりますが、キャンプを楽しく終えるための保険と考えれば安いものではないでしょうか?

最後まで読んでいただきありがとうございます。

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36年間キャンプに親しんできた管理人が、培ってきた経験やTipsを共有するためのブログです。

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