テント内部を暖める方法としては以下のものがあります。
・薪ストーブ
・石油ストーブ
・石油ファンヒーター
・ガスストーブ
・セラミックファンヒーター
今回は5回に分けてテント内暖房についての考察を行っていきます。
第四回目はガスストーブについて考えていきます。
Table of Contents
ガスストーブ
ガスストーブには意外と多くの種類のものがあります。
暖房方式別に分けると石油ストーブと同じく対流式、反射式、ファンヒーターの3種類があります。
これら暖房方式の特徴は石油ストーブと同じなので割愛します。
ガスストーブは
・CB缶用
・OD缶用
の2種類に分けられます。
CB缶用ガスストーブ
メリット
CB缶は最もポピュラーなガスカートリッジです。
家庭用の卓上コンロで使用されているアレです。
CB缶を燃料とするガスストーブは種類が多く色々な製品が店に並んでいます。
カートリッジを接続するだけで使用できるので手軽に使用でき、石油ストーブのように燃料タンクが不要なのでコンパクト。
その分軽く持ち運びがしやすいことが特徴です。
デメリット
CB缶の構造上の理由で充填されているガスはブタンガスやブタンガスとイソブタンの混合のものが多く、寒冷地での使用にはドロップダウンにより燃焼の安定感に欠けるものが多いのが実情です。
パワーガス等の寒冷環境用ガスであっても氷点下では燃焼が不安定になります。
OD缶用ガスストーブ
メリット
OD缶はカートリッジがCB缶に比べて頑丈にできています。
そのため充填してあるガスはイソブタンやプロパンの混合になります。
プロパンガスは沸点が‐42.1℃なので日本においては真冬の旭川を除いて一年中使用することができます。
つまりOD缶を使用するストーブは寒冷地でも火力が安定するというメリットがあります。
OD缶用のガスストーブもCB缶用と同じようにコンパクトであり、持ち運びがしやすいものが多くなっています。
デメリット
OD缶用ガスストーブのデメリットは何と言ってもガスカートリッジの価格が高いという点にあります。
OD缶250サイズ(ガス量250g)で約650円程。
CB缶(ガス量250g)で約250円程。
これはイワタニ産業のガスカートリッジを比較したものですがOD缶はCB缶の倍以上します。
寒冷時にキャンプしないのであれば燃料費は安いに越したことはありません。
ガスストーブのメリット
①コンパクトなものが多い
特にキャンプ用として作られたガスストーブはおしなべてコンパクトであり軽いものが多く、持ち運びが楽です。
②燃料のセットが簡単
ガスストーブはOD缶用であれCB缶用であれカートリッジを装着するだけでセッティングが完了します。
③着火が楽
着火は火力調整つまみを開いて圧着点火スイッチを押すだけです。
とても簡単。
ガスストーブのデメリット
①燃焼時間が短い
平均的なサイズのカートリッジに充填されているガスは250g程です。
燃費は機器のサイズ、火力レベルによって異なりますがカートリッジ1本で2〜3時間ほどになります。
就寝後は時々起きてカートリッジを交換しなければなりません。
②寒冷時に燃焼が不安定になる
これについては先程説明しましたが、ガスカートリッジを燃料にする器具の最大の弱点となります。
最近はカセットを暖めるヒート板が取り付けてある製品もありますが、氷点下の環境ではどうしてもドロップダウンが起きてしまうようです。
③一酸化炭素中毒の可能性がある
石油ストーブと同じで排気を煙突で外に排出しないので常に一酸化炭素中毒の危険があります。
そのため使用中の換気に注意する必要があります。
換気の方法については前々回の「石油ストーブ」の記事を参照してください。
カセットガスストーブ選択時のTips
カセットガスストーブを選ぶ際には、安全性の確認も忘れずに。
購入を検討するときには安全装置の有無をしっかり確認しましょう。
安全装置とは
●転倒時消火装置
本体が倒れたり強い衝撃を受けたりした際にガスを自動的に遮断する。
●立消え安全装置
風などで火が消えた際にガスを自動的に遮断する。
●不完全燃焼装置
不完全燃焼を検知してガスを遮断する。
●圧力感知安全装置
カセットガスが過熱され圧力が異常に上昇した際にガスを自動的に遮断する。
これらの安全装置の有無と仕様書に記載されている使用上の注意点を確認することが大切です。
まとめ
カセットガスストーブは数あるアウトドア用ストーブの中で最も手軽に使用できます。
さらにストーブ自体もコンパクト。
それ故テント内暖房として導入しやすいストーブだと言えます。
ただし冬に標高の高い場所や北海道のような極寒の地でキャンプする場合は避けたほうが無難です。
使用する時は換気を十分にしてくださいね。
最後まで読んでいただきありがとうございます。