一酸化炭素中毒を防ぐために

キャンプあれこれ

皆様あけましておめでとうございます。
今年もよろしくおねがいします。

このブログを書き始めてから1年半ほどになりますが、神経を使う仕事をしているので帰宅後はすぐに眠くなり、なかなか更新できません。
今日は2023年1月1日。
立てた今年の目標はいくつかありますが、ことブログに関しては100回更新を目標にしたいと思います。
(そんな事書いて大丈夫かぁ?)

一酸化炭素中毒の怖さ

一酸化炭素は血中のヘモグロビンと結合します。
その結合力は酸素の約200倍!
そのため体が酸欠状態となりいろいろな症状が現れ、やがては死に至ります。
空気中に一酸化炭素が1.28%含まれていると1〜3分ほどで死に至るという、非常に危険な物質です!

実際に起きたアウトドアでの事故事例を見てみると、多くの場合テントの中で石油由来燃料を使用したことがその原因でした。
毎年一酸化炭素中毒の症状で救急搬送される事件が少なからず発生し、その中には死亡してしまう人も多くいます。
特にキャンプ中に一酸化炭素中毒事故が発生するとテントという狭い空間ゆえの高くなりがちな一酸化炭素濃度に相まって、発見が遅れたり救急搬送の時間がかかることから重大な結果を招く可能性が高くなります。

事例

事例1
・家族四人でキャンプ
・2ルームテントのキャノピー付近でバーベキューをした
・その後子供二人が奥のインナーテントに入ると数分後に頭痛を訴えその後意識を失う
・急いで外に連れ出ししばらくしたら回復
このケースはキャノピー付近で炭火から発生した一酸化炭素が風で奥に流れ密閉された状態のインナーテントに溜まってしまったことが原因と考えられます。

事例2
・家族3人でキャンプ
・インナーテント内で七輪を使って暖を取っていた
・7歳の女の子が意識不明となりその後死
このケースは一酸化炭素事故の典型です。
密閉されたインナーテント内で炭火で暖を取ったことが原因です。
特に炭は一酸化炭素の発生量が多く、室内やテント内での使用は非常に危険です。

事例3
・ソロキャンプ
・テント内で石油ストーブを使用
・飲酒によりいつの間にか眠ってしまう
・激しい頭痛により目が覚め、頭痛の原因が一酸化炭素によるものだと判断しすぐに外に出る
このケースは目覚めるのが少しでも遅かったら死亡していたと思われる事例です。

冬キャンプでは何らかの暖房器具を使うことが多くなりますが、このような重大な事故を起こさないためにも一酸化炭素のことをよく知り、しっかり対策を行うことが大切ですね。

一酸化炭素の発生原因

薪や炭、石油精製物質が燃えるときに酸素の供給が十分である場合完全燃焼して二酸化炭素が発生します。
このときに酸素の供給量が少ないと不完全燃焼となり、結果一酸化炭素が多く発生します。
特に密閉された空間(建造物やテントなど)においては酸素供給量が少ないため不完全燃焼となり、大量の一酸化炭素が発生してしまいます。

寒いからと言ってインナーテントを締め切った状態でガソリンや灯油、炭などを燃料とする器具を使用すると、短時間でインナーテント内の一酸化炭素濃度が上がってしまうわけですね。

一酸化炭素の性質

一酸化炭素は以下の性質を持ちます。
・空気とほぼ同じ比重だが燃焼により発生したものは高温のため軽い
・無味無臭、無刺激
・点火すると青い炎で燃え、二酸化炭素になる

一酸化炭素中毒の症状

初期
・不快な気分
・めまい
・頭痛
・吐き気
・判断力の低下
中期
・意識障害
・視覚異常
・昏睡
後期
・心肺停止
このように一酸化炭素中毒が進むと自力では状況から脱することができなくなるので救助が必要となります。
さらに回復しても稀に運動機能障害等の後遺症が発生する場合もあり、非常に厄介です。

対処

一酸化炭素中毒が疑われる場合は速やかに以下の対処をおこないましょう。
初期
・テントを出る
・深呼吸などを行い新鮮な酸素を取り込む
・体を温める
・一酸化炭素の発生源を除去する
中期以降

・すぐにテントの外に出す
・毛布などで体をくるんで温める
・一酸化炭素の発生源を除去する
・迷わず119番通報

一酸化炭素中毒を防止するために

以上のように重大事故につながる一酸化炭素中毒ですが、これを防止するために以下のことを行いましょう。

①テントを密閉した状態での燃焼型器具は使用しない

これは基本中の基本です。
ガス、ガソリン、灯油、炭などの燃料を使用する器具をテントのファスナーを締め切ったままでは絶対に使用しないことが大切です。
特に炭。
テントの中で七輪で暖を取るなどもってのほかですよ。
またソロテントのような小型のテントではたとえファスナーを片方開けているだけでも温められた一酸化炭素はテントの上部に溜まるので危険です。
小さなテントの中では使用しないこと。
これが鉄則です。
外が雨などでやむなく使用する場合はテント内の空気の流れをしっかり確保して、常に新鮮な空気と一酸化炭素を含む燃焼ガスが入れ替わるように配慮する必要があります。

②シェルターでは空気の流れを考えた換気を行う

シェルター等の大型のテントでは空気の流れを考えて換気を行いましょう。
温められた一酸化炭素は軽くなりテントの上部に溜まるので高い位置に付いているベンチレーターは必ず全開にセットします。
またスカートが付いているものであれば入り口のファスナーを半分ほど開けておき(これ大事)、そこから新鮮な空気が入るようにします。
このことで温められた一酸化炭素を含む空気がベンチレーターから抜け、下から新鮮な空気が入るという循環が起きます。
この状態であればリスクは大幅に低減されますね。
暖房効率が落ちるって?
暖房効果が下がっても安全性が高くなるほうが断然良いです。
外の気温より少しでも暖かければキャンプでの暖房としては大正解だと考えましょう。

③COチェッカーを設置する

COチェッカーを購入して設置しましょう。
COチェッカーは色々な種類のものがネットで簡単に手に入ります。
これを設置することで非常に有効な一酸化炭素中毒防止対策となります

【COチェッカー選びのポイント】
①日本製を選ぶ
いや、外国製(特に中○製)が悪いと言っているわけではありませんよ。
命に関わることだからやはり信頼性の高い日本製を選びたいですね。
一万円で命を守れるなら安いものです。

②50PPM以上で警報を鳴らすものを選ぶ
厚生労働省の基準では一酸化炭素の濃度は50PPM以下に抑えることが推奨されています。
よってCOチェッカーはそれが可能なものを選びましょう。

【COチェッカー使用時の注意】
①電池の状況を確認する
電池の残量は十分かどうか、電源が入るかどうかを確認します。
また電池を長期間入れっぱなしにすると液漏れを起こしチェッカーがだめになってしまうので、使用した電池は撤収時に抜いて保管することをおすすめします。

②チェッカーの状態を確認する
使用前にチェッカーがちゃんと機能するかを確認しましょう。
確認方法としては炭火の煙にかざしてみることやエンジンのかかった車のマフラーの排気口に近づける等があります。

③なるべく高い位置に設置する
温められた一酸化炭素は軽いのでテントの上部に溜まる性質があります。
よってチェッカーは高い位置に設置することをおすすめします。

まとめ

冬はキャンプの絶好のシーズンですがついてまわるのは暖房です。
最近は色々便利な暖房器具が発売されているので暖房のやり方も多岐にわたります。
しかし一つだけ共通しているのは燃料を使う暖房器具の使用の際は換気に注意を払うことです。
これさえしっかり押さえておけば快適に過ごすことができますね。
持ち帰るのは楽しい思い出に限ります。

最後まで読んでいただきありがとうございます。

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36年間キャンプに親しんできた管理人が、培ってきた経験やTipsを共有するためのブログです。

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