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キャンプのメリットを心理学面から見てみました。
最近メディアでキャンプを扱う記事や番組が増えています。またSNSでもキャンプの話題が注目されていますね。
特に最近は“ソロキャンプ”をする人が増えてきています。1人でキャンプをする人が増えているということは、これはキャンプがブームではなく、日本人の趣味として定着してきていることの証明だと思います。
では何故キャンプが広く受け入れられてきているのでしょうか?
都市部での生活で受けるストレス
「人口が密集した都市部で暮らす人はそれ以外の地域で暮らす人と比べて不安、抑うつ傾向が30%ほど高い」
これは独ハイデルブルグ大学のメンタルヘルス中央研究所が2011年に科学誌「ネイチャー」で発表した研究のレポートです。
具体的には人口密集地で暮らすと脳にある扁桃体と前帯状皮質の2カ所が特に大きな影響を受け、その結果ストレスに対処する機能が衰えてうつ病や不安障害に陥る可能性が高くなるという内容です。
またポーランドの社会文化をテーマにする週刊誌『プシェクルイ』によれば、都会生活者は田舎で暮らす人に比べてうつ病の発症で39%高く、不安障害が21%高いという報告がなされています。
これら「都市部で暮らす人がさらされているストレス」の原因については色々と言われていますが、特に住環境の面から考えると以下のものを挙げることができます。
・ビルや舗装道路など無機質なものに囲まれた空間
・車や工事等の騒音
・排気ガスやタバコ等による大気汚染
・溢れる情報
・常に行き交う大勢の人
「俺、あまりストレス感じてないけど…」って思っている方も、郊外や山等の自然の多い環境に行った時に思わず深呼吸してしまうのではないでしょうか?
このことはストレスを意識していない人でさえ、無意識レベルで都市部での生活でストレスを抱えていることの現れだと思います。
1/Fのゆらぎ
この世のすべてのものには、それが持つ平均的な値は一定であっても、ミクロ的には小さなずれ(ゆらぎ)があります。このことは森羅万象全ての物質、現象に当てはめることができます。
つまりこの世のすべてのものは常にゆらいでいるという事ができます。
さて、ゆらぎの中には私たちに“心地よさ”を与えてくれる周期のものがあります。
それは周期が1/Fのものであり、これを「1/Fのゆらぎ」と呼びます。
我々は1/Fのゆらぎの音や曲、動きや現象に触れると“心地よさ”を感じるのです。
この「1/Fのゆらぎ」を持つ代表的なものとして以下のものがあります。
・川のせせらぎ
・寄せては返す波の音
・木の葉ずれの音
・木漏れ日
・クラシックミュージック
・風
・鳥のさえずり など
このように、自然界の多くのものに1/Fのゆらぎが見いだせます。
さらに
・炎の動き
・動物の心臓の鼓動
なども1/Fのゆらぎであることが最近の研究でわかっています。
太古の昔から人間を含め動物はおしなべて自然の中で生活をしていました。悠久の時間の中で常に1/Fのゆらぎに包まれて命を繋いできたわけです。そしてこのことは遺伝子レベルに刻み込まれ、私たちは今も潜在意識の中でそれを求めているのかもしれません。
キャンプと1/Fのゆらぎ
冒頭で『日本人にとってキャンプはポピュラーな文化として定着し始めているのではないか』と書きましたが、昨今のコロナを含めたストレスフルな状況が私達の原点回帰欲求を刺激し、山歩きやキャンプに駆り立てているのだと思います。
キャンプや山歩きは1/Fのゆらぎに満ち溢れた環境で行うレジャーです。
特にキャンプは山や河川敷、海岸等ロケーションを自由に選ぶことができ、いろいろな種類の1/Fのゆらぎの中に身を置くことができます。
私事で恐縮ですが、私は自然豊かなキャンプ場に行くと途端に身が軽くなった感覚を覚えます。身にまとっていた何か重いものがスッと剥がれ落ちるような感覚です。
また海辺や川辺の水の音が響くキャンプ場では、普段寝付きが悪いのにもかかわらずあっという間に眠りに落ちてしまいますし目覚めも爽快です。
もちろんアルコールが入っていることもその理由ではありますが、普段は飲みすぎた日の翌朝は目覚めが悪く体も重いのですが、キャンプ場ではそれがありません。
キャンプ好きな方は私同様キャンプ場において、何らかの心地よい気持ちや身体の変化をお感じになっているのではないでしょうか。
キャンプが及ぼすその他の心理的影響
自然の中で行うキャンプでは「1/Fのゆらぎ」によるヒーリング効果ばかりでなく、他にも私たちに嬉しい影響を与えてくれます。
①日常とは全く違う環境に身を置く(脱日常)ことによるリフレッシュ
ストレッサーにあふれる日常の環境から全く違った環境に来ることにより、気持ちがリフレッシュします。
②キャンプサイトの設営や調理という作業に集中することによるアクティブ メディテーション
人は無心に何かをやっている時に、瞑想と同じ状況を作り出すことができます。
これをアクティブメディテーション(動的瞑想)といいます。
キャンプの準備作業に没頭することでアクティブメディテーション状態となり、自らを振り返ったり物事を深く考えることができるのです。
このアクティブメディテーションは色々な気づきをもたらし、さらに心の状態をリセットすると同時にストレスから開放してくれます。
③フィトンチッドによる鎮静効果
森の木々が発するフィトンチッド。これは樹木が害をなす微生物や昆虫から自らを守るために発する芳香成分です。
森の地面にはおびただしい数の細菌や昆虫、または小動物の死骸が落ちているはずであるのに、その腐敗臭がしないのはこのフィトンチッドの浄化、消臭効果に依るところが大きいと言われています。
さらにこの成分には自律神経を安定させストレスホルモンを減少させる等の効果があることが報告されています。
まとめ
このようにキャンプや山歩きのような自然の中で行うレジャーは人口が密集している都会部で暮らす人達のストレスを解消し、気持ちをリフレッシュさせ、自分を見つめ直す機会を与えてくれます。
それ故これからますます多くの人がアウトドアレジャーの魅力に気づき、チャレンジするのではないかと思います。
これは良いことだとは思いますが、その反面マナー意識の低いキャンパーも多くなることも予想されます。
実際マナー違反のニュースが増えてきていますね。
これは非常に残念なことです。
いい事だらけのキャンプです。
皆が気持ちよくキャンプできるよう、マナーをしっかり守って楽しみたいものですね。
最後まで読んでいただき、ありがとうございます。
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