キャンプというと、青空の下で焚き火をして、星空を眺めながらゆっくり過ごす――そんなイメージを持つ人が多いと思います。
しかし、実際にキャンプをしていると避けて通れないのが「雨」です。
天気予報が外れることもありますし、山の天気は急変します。
「せっかくのキャンプなのに雨か……」と落ち込んだ経験がある人も多いでしょう。
しかもまもなく「梅雨」の季節がやってきます。
「あ〜あ、しばらくキャンプはお預けだなぁ…」なんて思っている人も多いのでは?
ですが、不思議なことに、キャンプ上級者ほど「雨キャンプも好き」と言う人が少なくありません。

実は雨のキャンプには、晴れの日には味わえない独特の魅力があります。
一方で、危険や注意点も多く、準備不足だと本当に悲惨な目に遭うこともあります。
今回は雨の季節を迎えるにあたり、「雨キャンプ」について考えていきたいと思います。
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雨キャンプのいいところ
雨キャンプで良いところってあるの?と思ったでしょ?
それが意外と色々あるんですよ。
① 人が少なく、静か
これは雨キャンプ最大のメリットかもしれません。
晴れの週末はキャンプ場が混雑しますが、雨予報になると一気にキャンセルが増えます。
つまり、
• 静か
• 落ち着く
• 自然音が際立つ
• 周囲が気にならない
という、非常に贅沢な空間になります。
特に雨がタープを叩く音や、木々から落ちる水滴の音は、驚くほど心が落ち着きます。
「自然の中にいる感覚」が、晴れの日より強くなるのです。
② 焚き火が特別になる

雨の日の焚き火は難しいです。
しかし、その分だけ成功したときの満足感が大きくなります。
濡れた空気の中で立ち上る煙。
暗い空間の中で揺れる炎。
晴れの日とはまったく違う、“生きた火”を感じられます。
特にタープの下で雨音を聞きながら眺める焚き火は、雨キャンプ好きがハマる最大の理由とも言われています。
もちろん、土砂降りのときはTC素材のタープの下にファイヤーピットを置き、薪を控えめに燃やしましょう。
この時ばかりは火の粉の心配は不要。
濡れて水を含んだTC素材のタープに穴が開くことはありません。
③ 虫が減る
夏キャンプでは大きなメリットです。
雨が降ると
• 蚊
• ブヨ
• ハチ
• アブ
などが減るため、かなり快適になります。
特に湿気は増えても気温が下がるため、虫の活動が鈍くなるケースが多いです。
④ 景色が幻想的になる

雨の日の山や森には独特の美しさがあります。
• 霧が立ち込める
• 木々の色が濃くなる
• 地面が深い色になる
• 水滴が光る
まるで映画のワンシーンのような景色になることも。
特に朝方、雨が止みかけた時間帯は本当に幻想的です。
雨キャンプの大変なところ
① とにかく片付けが大変
これが最大のデメリットです。
濡れたテントやタープは重くなります。
さらに、そのまま放置すると、
• カビ
• 異臭
• 生地劣化
の原因になります。
濡れたGEARは帰宅後に広げてしっかり乾燥させる必要があり、晴れキャンプより後処理の負担はかなり大きい…。
② 服・靴・荷物が濡れる
服や靴、荷物が濡れると、本当に不快です。
特に危険なのは足元です。
靴下が濡れ続けると体温が奪われ、寒さが一気に増します。
「夏だから大丈夫」と思っていると、雨と風で想像以上に冷えます。
山では真夏でも低体温症になるケースがあります。
③ 地面がぬかるむ

設営場所を間違えると悲惨です。
少し低い場所にテントを張っただけで、
• テント下に水が流れ込む
• 寝床が浸水する
• 荷物が泥だらけになる
という悲惨な状況になります。
初心者が最もやりがちな失敗です。
④ 焚き火の難易度が上がる
薪が湿ると当然火がつきにくくなります。
さらに雨の日は湿度が高いため、火力が安定しにくくなります。
知識なしで挑むと、
「煙だけ大量に出て終わった」
ということも珍しくありません。
濡れた薪でも普通に火は点きますが、それにはやはり工夫が必要。
キャンパーの経験値が大きくモノをいいます。
雨キャンプで注意すべきこと
① 川の近くは危険
これは非常に重要です。
雨キャンプで最も危険なのは「増水」です。
特に山では、自分の場所が晴れていても上流で大雨が降ると、一気に川が増水することがあります。
実際に日本では、キャンプ中の増水事故で亡くなる事故がときどき発生します。
(実際にあった怖いエピソード)
あるキャンパーが、川沿いの河原でキャンプをしていました。
夜中までは「小雨」程度だったそうです。
しかし深夜2時頃。
「ゴォォォォ……」
という地鳴りのような音で目が覚めました。
外を見ると、さっきまで数メートル先だった川の流れが、すぐ近くまで来ていたのです。
しかも時々流木が流れていくことも…。
慌てて避難した数分後、テントを張っていた場所は完全に水没。
もし気づくのが遅れていたら、本当に危険だったと言います。
雨キャンプでは、
「今降っている雨」ではなく、
「流域全体の雨量」を意識する必要があります。
天気予報で「強い雨」が予想されている場合は潔くリスケするか、増水のリスクの少ないキャンプ場に変更することをオススメします。
② 「排水溝」を掘らない
昔は「テント周囲に溝を掘る」という文化がありました。
溝を掘るとテントやその周辺に降った雨水が溝にたまり、そこから地面に染み込むことでテントの下への雨水の流入を減らす効果があることが理由です。
しかし、現在多くのキャンプ場では禁止されています。
理由は、
• 地面を傷める
• 景観悪化
• 他の利用者への影響
があるためです。
今は、
• 設営場所を選ぶ
• グランドシートを正しく使う
• 水が流れにくい場所を避ける
という対応が基本です。
雨キャンプを快適にするTips
① タープは大きめが正義

雨キャンプでは居住空間が重要です。
小さいタープだと、結局すべて濡れます。
余裕のあるサイズを使うと快適性が激変します。
②フィールドラックは激しく有用
高さが20cm程あるフィールドラックは非常に役に立ちます。
ラックをテントの中やタープの下に置き、その上に荷物を置くと荷物が濡れないし汚れない。
撤収時もタオルで軽く水分を拭き取り、そのまま積み込むことができます。

③傘とレインウェア両方持参する
傘はトイレなどにちょっと行くようなときに手軽に使うことができますが、なにかの作業をする場合は片手しか使えません。
作業効率も落ちるし、全身ずぶ濡れになる恐れもあります。
レインウェアは身体全体をカバーし、両手も使えるので作業するには最適ですが、ちょっとどこかに行くときに毎回着脱することになります。
これは地味に面倒。
なので、傘とレインウェア両方を持参し、その都度最適な方を使用することをオススメします。
④着替えは多めに用意する
着替えは多めに用意しましょう。
特に、
• 靴下
• インナー
• タオル
は通常より1〜2セット多めがおすすめです。
服が濡れてしまい着替えがない状態に陥ると、一気にテンションが下がり猛烈に帰りたくなること請け合いです。
⑤選んではいけない場所
雨が予想されたり既に降っている場合に、選んではいけない地形がいくつかあります。
コレかなり重要で内容も多くなるため、次回の記事でまとめます。
⑥ゴム長靴は最強アイテム
防水仕様のスニーカーであっても長い時間フィールドに居ると内部が濡れてしまいます。
そんなときはゴム製の長靴に履き替えるのをオススメします。
これを履くと地面の状態を気にする必要がなく、目的の場所まで一直線に歩けます。
コレ、地味に嬉しい。
まとめ
雨キャンプは「不便を楽しむ遊び」。
決して快適ではありません。
濡れます。
寒いです。
撤収も大変です。
しかし、その不便さの中には、晴れの日にはない特別な魅力があります。
雨音を聞きながら飲むコーヒー。
タープに当たる雨。
暗闇で揺れる焚き火。
静かな森。
それはまるで、“自然の中に溶け込む感覚”です。
だからこそ、雨キャンプにハマる人がいるのです。
ただし、自然は時に牙をむきます。
「無理をしない」
「リスクを軽視しない」
これだけは忘れないようにしてください。
安全を最優先にした上で、ぜひ“雨の日だけの特別なキャンプ”を楽しんでみてください。









