キャンプを含むアウトドアスポーツは自然の中で活動するわけですから、普段の生活ではあまり縁のない諸々の危険と隣合わせだと言えます。
天候によるリスクや動物たちによるリスク。
特にこれからの季節は野生動物や虫たちの活動が活発になりますし、登山やキャンプは滞在時間が長い分リスクも高くなります。
今回はその中でも特に「マダニ」によるリスクとその対処法について書きたいと思います。
マダニってどんな虫?
マダニは8本の足を持つ節足動物で蜘蛛に近い昆虫です。
野山や草むらに生息し、野生動物に取り付くために木の葉や草の裏側でじっと待っています。
一旦取り付くと皮膚に口下片というノコギリ状の口を差し込み血を啜ります。
たいていはイノシシや鹿などの動物に取り付きますが、潜んでいる場所を通った人間もそのターゲットになります。
マダニが厄介なのは一旦吸血を始めると取り除こうとしても口下片が食い込んでいて取れないことです。
無理やり引き剥がそうとすると頭がちぎれ口下片が体内に残ってしまいます。
さらに問題なのはマダニは感染症を媒介することがあるという点です。
そのためマダニに取り付かれたときは急ぎ皮膚科の病院で治療して貰う必要があります。
基本的に日本のどこにでも生息しています。
特に野生動物が多く行き来する場所はマダニにとっても生きるための理想的な場所になるので注意が必要です。
最近房総地域で外来生物の「キョン」が増えており、住宅街にも多く出没しています。
この「キョン」に取り付いたマダニが住宅地の植木などに移り、地域住民にマダニの被害が増えているとのことです。
そういう意味では房総地域にあるキャンプ場でキャンプする場合は特に注意が必要と言えます。
夏のキャンプは暑いので半袖半ズボンという服装になることが多いと思いますが、草むらや茂みを歩くときは長ズボンに履き替え靴下を履く等、皮膚の露出を極力減らすようにしましょう。
またペットをキャンプ場に連れて行った場合も注意が必要です。
ペットは人間よりもマダニの良いターゲットになります。
草むらや茂みを歩いた後は草などと触れた部分にマダニが付いていないか確認しましょう。
マダニ除けの防虫剤は防虫剤メーカーからいろいろな種類のものが発売されています。
キャンプする場合はそれらを持参し、ズボンや靴下、靴などにスプレーしておくことをオススメします。
最近も80代の男性がマダニによるSFTSにより亡くなっています。
マダニに噛まれてから一週間〜二週間ほど経ってから原因不明の発熱,消化器症状(食欲低下,嘔気,嘔吐,下痢,腹痛)が出現した場合はすぐに医療機関で受診しましょう。
まとめ
以前栃木県の東古屋湖畔でキャンプしたときに、同行家族の奥さんがマダニに噛まれたことがありました。
幸い感染症にかかることはありませんでしたが、噛まれた箇所が強い痒みに襲われその状態が半年ほど続いたそうです。
今考えると感染症の有る無しに関わらず皮膚科を受診したら、痒みがそれほど長く続くことはなかったのではないかと思います。
ただ、マダニを恐れて行動の範囲が狭まるのはキャンプの楽しみを大きく削ぐことになるので、しっかり対策をして後は普通に過ごせば良いのではないかと思います。
そして万が一マダニに取り付かれたらすぐに医療機関を受診しましょう。
最後まで読んでいただきありがとうございます。
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