SOTOから「山岳使用に対応したCB缶液出し分離型ストーブ」である『トレックマスター』が発売されました。
このストーブは液出し燃焼システムにより、ドロップダウンによる火力低下が生じにくいという特徴があります。
冬がキャンプのベストシーズンとするワタシとしては、これは是非手に入れないといけない!
というわけで発売日にポチリ。
キャンプ道具や装備を実際に見て、触って、そして使ってみた感想を紹介する「Camp Gear Impressions」
今回はこのトレックマスターをレポートします。
Table of Contents
液出し燃焼とは
液出しとはバーナー部にカセットボンベから液体のままガスを供給し燃焼させる方法です。
通常のバーナーはボンベの中で気化したガスをバーナー部に送り燃焼させます。
これに対して液出しはボンベからバーナー部にガスを液体のまま供給し、バーナーに取り付けられたジェネレーターで気化させて燃焼させます。
これにより特に寒冷環境や長時間使用によるドロップダウンを抑えることを可能にしています。
ガスカートリッジに関しては以前記事に書いてますので参考にしてください。
ガスカートリッジの話
液出し方式のメリット
①寒冷環境でも燃焼が安定する
②長時間使用することによる気化熱によりガスカートリッジが冷えても燃焼が安定する
液出し方式のデメリット
①予熱が必要
②火力が安定するまでは炎が大きくなることがある
これらは寒冷環境で安定燃焼ができるなら取るに足らないものだと思います。
製品仕様
- 製品サイズ幅500 ✕ 奥行140 ✕ 高さ105 mm(使用時・ホース含む)
幅90 ✕ 奥行70 ✕ 高さ105 mm(収納時・ホース含む) - 重量約195g
- 材質バーナー/器具栓つまみ/ゴトク:ステンレス
ボンベホルダー:樹脂
収納ポーチ:タイベック




本体は非常に軽く、登山でも負担にならないと思います。
構造は非常にシンプルながら五徳はしっかり安定します。

赤い部分がレギュレーター。
この部分で液ガスを気化させます。

燃料ホースはしっかりした作り。

ボンベホルダーをガスカートリッジに接続しますが、結構力が要ります。
使っているうちに軽くなるのかな…
使ってみた
先日この記事を書くためにキャンプ場で使用しましたが、天気が良く気温も30度近い環境。
これじゃ寒冷時でも安定して燃焼するかがわからないので、後日クーラーボックスで本体とカートリッジを冷やしてから燃焼実験することにしました。
で、今回雨の中キャンプやったので実験開始!

クーラーボックスで2時間ほど本体とカートリッジを冷やします。
温度は4〜5℃くらいだと思います。

急いで取り出し、セッティング。

カートリッジも本体も冷え冷え。
ビールなら飲み頃の「キンキン」具合です。

点火はカートリッジを立ててから行います。
いきなり液状のガスを送ると“生ガス”が燃焼し、危ないことになるからです。
まずはボンベ内の気化しているガスを燃焼させ、レギュレーターをプレヒートするわけですね。
また点火の際はライターが必要になります。
圧電点火装置(イグナイター)は付いていません。
理由はイグナイターが最も故障が多いパーツだからということです。
確かにタバコを吸わない登山者の場合、イグナイターが故障すると山で着火できない。
最初からライターが必要だとわかっていれば必ずそれを持っていきますからね。

火が点いて30秒後にカートリッジを倒します。
レギュレーターは十分熱くなっているので生ガスがしっかり気化して安定して燃焼しました。
消火の際もカートリッジを立てる必要があります。
その30秒後に火力調整つまみを全閉して消火。


冷え冷えの本体&カートリッジでも安定した燃焼。
これは今年の冬が楽しみです!
もちろん一年中を通して使用することはできますよ。
ちなみに使用中はガスカートリッジは本体から35cm話して置かなければなりません。
これはカートリッジが過熱することによる事故防止のためです。



せっかく火をつけたのでコーヒーを淹れました。
コーヒー2杯分の水が3分ほどで湧きました。
火力も相当なものです。


たたむと非常にコンパクトに。
450ccのマグカップにすっぽり収まります。
携帯性バツグンです!
まとめ
SOTOのトレックマスターは画期的なバーナー。
小さくて軽いのに寒冷な環境でも安定した燃焼が可能。
車中泊用に現在イワタニのタフ丸を積んでいますが、結構嵩張るのでトレックマスターと入れ替えようかと思案中です。
冬のキャンプでも心強いGEARだと思います。
オススメですよ。
最後まで読んでいただきありがとうございます。