車中泊をやっていると、いつか必ずぶつかる問題があります。
「電気、どうする?」
スマホだけならモバイルバッテリーで何とかなります。
ところが、冷蔵庫、照明、扇風機、電気毛布、パソコン、炊飯器……と増えてくると話は別。
そこで頼りになるのがポータブル電源です。
私も大容量のポータブル電源を使っていますが、容量が大きくなればなるほど、今度は別の問題が出てきました。
「これ、どうやって充電するんだ?」
そこで今回考えたのが、オルタネーターチャージャーによる走行充電です。
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そもそもオルタネーターチャージャーって何?

クルマには「オルタネーター」という発電機が付いています。
エンジンが動いている間、オルタネーターが発電し、クルマの電装品に電気を供給したり、バッテリーを充電したりしています。
だったら、その電気をポータブル電源にも分けてもらえばいい。
この発想で使うのがオルタネーターチャージャーです。
簡単に言えば、
「クルマで走りながらポータブル電源を高速充電する装置」
です。
つまり高速道路を走っている時間が、そのまま充電時間になります。
これは車中泊との相性がかなり良さそうです。
なぜオルタネーターチャージャーに目をつけたのか?
ポータブル電源の充電方法はいくつかあります。
家庭のACコンセント、ソーラーパネル、シガーソケットなどです。
自宅ならACコンセントで問題ありません。
しかし長期の車中泊となると事情が変わります。
そこで期待するのがソーラーパネル。
太陽さえ出ていれば無料で充電できます。
素晴らしい!
ところが当然ながら、いつも晴れているとは限らない。
曇る。
雨が降る。
木陰にクルマを停める。
そして何より、夜は太陽が仕事をしません。
太陽にも勤務時間があります。
そこで考えました。
車中泊旅行なら毎日のようにクルマを走らせます。
だったら、「移動している時間に充電すればいいんじゃない?」というわけです。
シガーソケット充電では物足りない

もちろんクルマにはシガーソケットがあり、ここからポータブル電源を充電することもできます。
ただし問題は充電速度。
一般的な12Vシガーソケットでは、取り出せる電力に限界があります。
大容量ポータブル電源になると、「結構走ったぞ!」と思って残量を見ると、たった数%しか回復していないことがしばしば…。
100W前後で充電するのと、400〜500Wクラスで充電するのでは、長時間の旅では大きな差になります。
そこでバッテリー側から専用配線を引き、より大きな電力を取り出す走行充電器が効果的なわけです。。
オルタネーターは無限の発電所ではない
ここで注意したいことがあります。
「オルタネーターが発電しているなら、そこからガンガン電気を取ればいい」というほど単純ではありません。
オルタネーターが作った電気は、そもそもクルマ自身が使っています。
ヘッドライト。
エアコン。
ワイパー。
電動ファン。
ナビ。
各種コンピューター。
さらにスターターバッテリーの充電もあります。
つまり、オルタネーター発電量 = 全部ポータブル電源に使える電気ではありません。
ここを勘違いすると危険です。家族全員で食べるために炊いたご飯を見て、「一升炊いたなら俺が好きなだけ食べても大丈夫だろう」と言っているようなものです。
家族から怒られます。
オルタネーターの場合は、クルマから怒られます。
アトレーS700Vの場合はどうなのか
今回、私が使っている車両はダイハツ・アトレー S700V。
「このクルマから走行充電用として、どのくらいの電流を安全に取り出せるのか?」という問題です。
最近のクルマは昔のように単純にオルタネーターが一定の電圧で発電し続けているわけではありません。
燃費向上などのため、車両側で発電量を細かく制御している場合があります。
そのため、「オルタネーター容量が○Aだから、その分まで使える」とは考えられません。
実際には車両側の消費電力や充電制御、エンジン回転数、バッテリー状態なども考える必要があります。
安全に取り出せるのは何A?

今回、一番気になったのがここ。
候補にしているオルタネーターチャージャーでは、車両側から40A前後の大きな電流を取り出す可能性があります。
40A。
数字だけ見ると、なかなか迫力があります。
12V系で単純計算すれば、12V × 40A = 480W。
つまり家庭用の小型家電並みの電力を、クルマの電装系から取り出すことになります。
ここで重要なのは、「40Aだから危険」でもなければ、「40A対応製品だから絶対安全」でもないということです。
確認すべきなのは、
・オルタネーターの能力
・車両自身が必要とする電力
・スターターバッテリーの状態
・充電制御
・ケーブルの太さ
・配線距離
・ヒューズ容量
・接続端子
・アース
などです。
特にケーブルは重要です。
大電流を細いケーブルに流せば、電圧降下だけでなく発熱の原因になります。

ここは、「電気が流れればOK」では済ませたくありません。
候補にしたオルタネーターチャージャー

さて、ここからが機種選びです。
私が使っているポータブル電源は、AFERIY Haven2400。
充電入力はXT90で、11.5~50V・最大20A・最大500Wとなっています。
つまり、せっかく走行充電システムを組むなら、できれば400~500Wクラスで充電したいところです。
そこで最初に候補にしたのが、AFERIY純正のDC060 DC-DC充電器でした。
同じAFERIY製なのでHaven2400との相性を考えれば、これが一番分かりやすい選択です。
ところが、ここで一つ気になることが出てきました。
メーカーに問い合わせたところ、DC060は車両側から約40Aを常時取る仕様とのこと。
この電流を走行中ずっと車から取るとなると、「アトレーのオルタネーター、本当に大丈夫か?」という疑問が出てきます。
そこでダイハツにも問い合わせてみました。
「オルタネーターチャージャーで常時40A程度取っても問題ありませんか?」
しかし、残念ながら明確な回答は得られませんでした。
考えてみれば、純正ではない後付け電装品について、メーカーが「40A取っても大丈夫です」と保証するのは難しいのでしょう。
アトレーのオルタネーターの出力は80Aだそう。
その半分をオルタネーターチャージャーが使ってしまって大丈夫なのか?
そこで、もう一つ候補として浮上したのが、Victron Orion XS 1400です。
こちらの面白いところは、単純に大容量ということではありません。
入力電流を設定できることです。
さらに出力電圧・出力電流も設定できるため、Haven2400の入力仕様に合わせて、例えば24V × 20A = 480W程度に抑えて使うことも仕様上は可能です。
整理すると、
AFERIY DC060
→ 純正という安心感
→ Haven2400との組み合わせが分かりやすい
→ ただし約40Aの常時取得が気になる
Victron Orion XS 1400
→ 入力電流を調整できる
→ 出力もHaven2400に合わせられる
→ ただしAFERIY純正の組み合わせではない
見事に一長一短です。
そして今回調べていて分かったのは、オルタネーターチャージャー選びは、「何W充電できるか」だけで決めてはいけないということでした。
車側にどれだけ余裕があるのか。
ポータブル電源側がどこまで受けられるのか。
そして、その間をつなぐチャージャーがどこまで安全に制御できるのか。
この3つをセットで考える必要があります。
ということで、現時点ではまだ結論は出ません。
今後は、
AFERIY DC060
Victron Orion XS 1400
この2機種について、さらに仕様と実車での使い方を調べ、施工をお願いする業者さんの意見も聞いたうえで、最終的にどちらを採用するか決めるつもりです。
果たしてどちらになるのか。
これは実際に取り付けるまでの、もう一つの楽しみにしておきます。
500W充電すると、どれくらい回復する?

ここからが楽しいところです。
仮に500Wで充電できたとします。
単純計算なら、
1時間走行 → 約500Wh
2時間走行 → 約1000Wh
3時間走行 → 約1500Wh
となります。
もちろん実際には変換ロスや充電制御などがあるため、この数字がそのまま入るわけではありません。
それでも車中泊ではかなり大きい。
例えば、
朝、キャンプ場を出発。
絶景スポットを巡りながら次のキャンプ場へ。
2〜3時間走る。
到着したら、
ポータブル電源がかなり回復している。
これはありがたい。
わざわざ「充電するための時間」を作らなくていいからです。
配線はかなり重要

走行充電器を取り付ける場合、単純にシガーソケットへ差し込んで終わりではありません。
基本的には、
スターターバッテリー
↓
ヒューズ
↓
専用ケーブル
↓
オルタネーターチャージャー
↓
ポータブル電源
という構成になります。
40Aクラスの電流を扱う以上、配線は非常に重要です。
・ケーブルが細すぎる。
・ヒューズが適切でない。
・端子の圧着が甘い。
・配線が高温になる場所を通っている。
こうした問題があると、せっかくの走行充電が危険なシステムになってしまいます。
だから私は、「動けばいい」ではなく「安全に長期間使えること」を重視したいと思っています。
自分で取り付ける? 業者に頼む?
DIYが得意な人なら、自分で施工することも考えるでしょう。
しかし今回は私は業者にお願いするつもりです。
理由は単純。
40Aクラスの大電流だから。
棚を取り付けて少し曲がったくらいなら、「この曲がり具合に味があるんだよ」と、無理やり自分に言い聞かせることが出来ます。。
電気はそうはいきません。
特に長期間の車中泊で使う設備なので、配線やヒューズを含め、プロに施工してもらう方が安心だと判断しました。
業者に必ず伝えておきたいこと
取り付けをお願いするときも、「これ付けといてください」だけではなく、システム全体の仕様を伝えた方が安心です。
少なくとも、
車種:ダイハツ アトレー S700V
使用するオルタネーターチャージャー
想定する最大入力電流
ポータブル電源:AFERIY Haven2400
DC入力:11.5〜50V/最大500W
コネクター:XT90
このあたりは伝えておきたいところです。
さらに、
・ケーブルサイズ
・ヒューズ容量と位置
・アース位置
・配線経路
・充電制御との相性
等についても確認してもらいます。
「チャージャーを取り付ける」のではなく、「安全な充電システムを作ってもらう」という考え方です。
走行充電にも弱点はある
もちろんオルタネーター充電にも弱点があります。
まず、クルマを走らせなければ充電できません。
キャンプ場に3日間滞在して、どこにも来るまでいかなければ充電されません。
さらに、発電負荷が増えればエンジン側の負荷も増えるため、電気は完全なタダではありません。
また短距離移動ばかりなら、大容量の走行充電システムを導入してもメリットは小さくなります。
ソーラーとオルタネーターの使い分け

ソーラーパネルとオルタネーターはしっかり使い分けることが可能。
晴れている。
クルマを停めている。
↓
ソーラー。
移動している。
↓
オルタネーター。
つまり、停車中は太陽、走行中はオルタネーターチャージャー。
この組み合わせが理想です。
雨の日でも走れば充電できる。
晴れていれば停車中にも充電できる。
かなり強力な組み合わせになります。
まとめ
オルタネーターチャージャーを調べる前は、「走りながらポータブル電源をしっかり充電できたら便利だな」くらいに考えていました。
しかし調べてみると、単純な話ではありませんでした。
オルタネーター容量。
車両の消費電力。
充電制御。
入力電流。
電圧。
ケーブル。
ヒューズ。
ポータブル電源の入力上限。
……電気、なかなか面倒です。
しかし、きちんとシステムを作ることができれば、「移動時間=充電時間」になります。
朝、ポータブル電源の残量が少なくても、「まあ、今日は200km走るからいいか」と言える。
これは車中泊旅行ではかなり大きな安心感です。
ソーラーで太陽から電気をもらい、移動中はクルマから電気をもらう。
そして夜はその電気で快適に過ごす。
そう考えるとオルタネーターチャージャーは、単なる充電器ではありません。
旅の電力を「残量を気にしながら使うもの」から「移動しながら補充するもの」に変えてくれる装備なのかもしれません。
ということで私は、アトレーの走行充電システム、本気で考えてみます。
最後まで読んでいただきありがとうございます。









