9月1日。
そうです。
「おわら風の盆」が開催される日。
富山市八尾で毎年9月1日から3日まで開催される歴史あるお祭りです。
私はこのお祭りが好きなんです。
理由は色々ありますが、何と言っても古き良き日本を肌で感じられるというところが堪らなく良い。
三味線と太鼓が刻むリズムと胡弓の物悲しい響。
それに乗った歌い手の、これまた心を揺さぶるような謡。
今年も行ってきました。
3年連続のおわら風の盆ツアー。
今回はこのツアーレポートです。
Table of Contents
片道450km
家から富山市までは約450kmほど。
おわら風の盆は17時に始まります。
今回もいい場所を取るために現地には午前中に入りたい。
で、昨年と同じ様に31日に出発し、ほぼ中間点の佐久平PAで仮眠して午前4時にPAを出発するというプランです。
このプランだと9月1日の朝食は昨年と同じ越中境PAとなります。


天ぷらそばの朝食。
この辺りは蕎麦が名産と聞きます。
それだけで、なんだか美味しく感じる…。

駐車場の向こうには日本海。
今年の作戦
今年も鏡町の会場「おたや階段」会場の場所取りをします。
ここは艶やかで情緒あふれる鏡町の踊りで人気の観覧場所。
昨年は広場の最前列は既に占拠されていたので仕方なく階段の中頃をキープしました。
しかし階段は長く座ると膝がだるくなるし、手摺が微妙に邪魔になっていい写真が取りにくい。
なので、今回は広場の最前列に狙いを定め、早めの現地入りをした次第。

努力の甲斐あり、見事に最前列をゲット。
これで何の障害もなく踊りを堪能できます。
ただし、始まるのは17時なので7時間以上の待ち時間があります。
どうやって時間を潰すかが最大のポイント。
会場の八尾地区はファミレスやカフェ的なものが近くになく、昨年は資料館等でしばし涼んだだけであとは日陰でひたすら時間を潰していました。
しかしこれでは始まる前に暑さで体力が削られ、結果早めの撤収をするハメになったという苦い思い出が…。
一体何のためにここまで来たんだか…。
そこでその経験を活かし、今回は電車で富山市まで行ってそこで涼しく時間を潰すことにします。
富山駅



富山駅の「サンマルクカフェ」でランチ。
ここで14時少し前までゆっくり過ごしました。

おわら風の盆期間中は越中八尾駅行きの電車に乗るためには整理券が必要。
当然のことながら、かなりの人が行列を作っていました。
そもそも電車が2両編成なので、何らかの管理をしないと大変なことになるんですね〜。
何と雨!

越中八尾駅から歩いていると、にわかに怪しい雲が広がり雨が降り始めました。
天気予報でも16時から19時まで傘マークが付いていたので、めずらしく予報が当たったようです。


かなりの雨…。
私のどんな行いが悪いというのか…。
恨めしく30分ほど空を見上げていましたが、一向に雲が切れる気配がなく…。
しかし突っ立っていても埒が明かないし、席取りに使ったレジャーマットもしっかり濡れていると思われるので、一旦駐車場に行きビニールシートを抱えて会場に向かいます。
今回は去年の教訓「晴雨両用の傘は必須」に従い高性能の日傘を持参。
それをさして颯爽と…歩くつもりが「日傘だから小さいサイズでいいよね」と小さいものを買ったせいで、濡れないのは頭と肩だけというこれまたトホホな展開…。
「大は小を兼ねる」という格言を今更ながら噛みしめた私。

会場は雨のせいかあまり人がいません。
空もまだ暗い雲に覆われています。
この天気じゃ当分始まらないなぁ…。

18時30分をまわった頃、ようやく雨も止み、空から雨雲が消えました。
会場はいつの間にか多くの人が集まり演技の開始を待っています。
しかし運営スタッフから開示時刻が19時30分に変更する旨のアナウンスが…。
なんでも胡弓や三味線、太鼓は湿度が高いといい音がしないということがその理由だとか。
まあ、仕方ないよね。


陽が沈み暗くなると、ぼんぼりの灯りが辺りをいい感じに照らします。
もう間もなく演技が始まります。
会場はさらに人が増えてきました。
しかしね、広場の向こうのスペースに並んでいる人たち、そこは立入禁止の場所ですよ。
どこかにその表示があったはずですが…。
案の定、スタッフさんに注意され、右に左に散っていきました。

鏡町演技

地方(じかた)の演技が始まりました。
太鼓、三味線、胡弓が静まり返った会場に響き始めます。
そこはかとなく憂いを帯びた音色と謡声。
心に沁みる調べです。
男踊り

先ずは男踊りから。
男踊りは男性の舞台用として振り付けられた踊りだそう。
日本舞踊の若柳吉三郎によって振り付けされ、素朴な直線的力強さの中にしなやかさが特徴です。
この所作は農作業を表しているとか。
女踊り

女踊りも女性の舞台用として振り付けられた踊りです。
「四季踊り」ともいわれ、画家であり俳人でもあった小杉放庵が八尾の春夏秋冬を詠った「八尾四季」のために振り付けられたのがその始まりだそう。
その後夏の河原で女性が蛍取りに興じる姿を、男踊りと同じく若柳吉三郎が振り付けた一連の女踊りが完成しました。
流れるような艶っぽい所作が、笠で顔を隠した踊り手さんを美しく印象づけてくれます。
町流し
揃いの法被や浴衣に編笠を深くかぶった踊り手と、三味線・胡弓・太鼓を奏でる「地方(じかた)」の一団が、八尾町の各地区の通りを唄い踊りながら練り歩きます。
踊りの進行は非常にゆっくりなので、通りを歩ききるには小一時間ほどかかります。





ところどころで未来の踊り手さんが可愛らしい踊りを披露してくれていました。


おわら風の盆は長丁場。
観光客用の屋台が多く出店しています。
もちろんお酒の屋台もありますが、私は車で来ているので横目で見ながら通り過ぎるしかありません…(泣)。
紙粘土の人形


通りには色々な店があります。
ここは紙粘土で作った人形店。
いい味出してます。

夢中であちこちを歩き回っていると、古傷の腰痛が息を吹き返しました。
このまま歩き続けるのは辛い。
後ろ髪を引かれながら、駐車場へ向かいます。
しかしその途中で3つの町流しに遭遇!
それも踊り手さん達がざわざわとくつろいでいるところから流しが始まるシーンを見ることが出来ましたよ。
やっぱりツイてるわぁ、自分!
雨晴海岸(あまはらしかいがん)
万葉ゆかりの景勝地、雨晴海岸。
万葉の歌人大伴家持は、この雨晴の風景をこよなく愛し多くの歌を詠みました。
その美しい景色は今も昔も変わらず、浜から名が得る岩礁、富山湾越しに見る3,000m級の立山連峰の膨大な眺めは格別。
能登半島国定公園内にあり、「日本の渚百選」、「白砂青松百選」、に選ばれています。
富山二日目は昼間雨晴海岸を観て夕方から再び八尾に行く予定だったのですが、復活した腰痛の状態が良くない。
無理すると色々影響が出そうなので雨晴海岸だけ観てあとはゆっくりすることにしました。
義経岩

雨晴海岸の踏切を渡ると源義経の雨宿り伝説が残る「義経岩」が祀られていました。
【由来】
平安時代末期、源義経が奥州へ落ち延びる途中この地でにわか雨に遭い、家来の武蔵坊弁慶が大きな岩を持ち上げて岩陰を作り、義経一行が雨宿りをしたと伝えられている場所です。
雨が晴れるのを待ったこの出来事が、「雨晴」という地名の由来になったそう。


この裏側には大人がやっと一人通れるくらいの短い洞窟がありました。

その洞窟からは女岩を望むことが出来ます。

季節が夏なので空気がイマイチ澄んではおらず、女岩の向こうの立山連峰が薄墨を流したようにしか見えません。

有名な雨晴海岸の絶景。
冬場の空気が澄んだ晴れた日の午後、雪を戴く立山連峰を背にした女岩の風景をカメラに収めようと、今でも多くの人が訪れるそうですよ。
この地には冬の時期にもう一度訪れたいと思いました。
道の駅 雨晴


船の形をモチーフにしたという道の駅雨晴。
1Fはトイレとインフォメーション、二階はショップとカフェ、3階は展望デッキになっています。
かなりコンパクトでモダンな道の駅です。


駐車場は55台収容できるそうですが、駐車場の形が少しイレギュラーなので、かなり車を停めにくい。
それに駐車場の奥行きがないので切り返しも結構窮屈です。
休日は駐車場空き待ちの車の列ができること必須です。


2階のカフェで「サラトガクーラー」を頂く。
サラトガ・クーラーは、ジンジャーエールとライムジュースを合わせた、すっきりとした味わいのカクテルです。
もちろんアルコールは入っていません。
富山湾

道の駅から観た富山湾の西側。
奥は能登半島です。

富山湾から北の方向を望むと奥は立山連峰です。
この湾の底には名産のホタルイカが息づいているんですね〜。
黒部ダムを諦める

三日目の予定は黒部立山アルペンルートを歩く予定だったのですが、生憎の雨。
もう雨が振っている時点で、腰が痛いこともあり半分気合が削がれているところにかなりの雨量。
雨でなければ and 腰が痛くなければ、立山駅で車回送サービス利用し車を預けてケーブルカー、電気バス等を利用し、黒部ダムを経て長野県側の大町温泉の宿で宿泊という壮大なプランでした。
しかしこんな身体のコンディションと強い雨でこのプランを強行するとどうなるか。
見えるものはくろぐろとした雨雲と雨に霞んだ山々の影。
風は強く吹き、気温も15°くらいのハードボイルドな環境。
素晴らしい風景を観るでもなく、過酷な環境をひたすら歩くだけ…。
これって山伏の荒行なんじゃ??
結果、小一時間も歩かずに引き返すことになるのは容易に想像できます。
そもそもレインウェアを持ってきていないので、どこかのタイミングで関係者に足止めを食らうのは必至。
ここは大人の振る舞いとしてリスケを選択しました。
というわけで、富山駅から大町温泉の温泉旅館に向かいました。
温泉にゆっくり浸かって疲れを癒すわけですよ。
まとめ
今回鏡町の「おたや階段会場」の一番いい場所で踊りを堪能できたので当初の目的は達成できました。
しかし、実はこのお祭り、深夜の観光客が捌けた後が最もいい時間帯だと“ツウ”の間では囁かれています。
つまり、観光客向けの決まった踊りを一通り終えた後、踊り手さんたちが自分のために踊ることができる様になるわけです。
色々な決まりごとから解放され、自分のために踊りを楽しむ。
この踊りにはまた違った魅力があるそう。
これを観なきゃ漢じゃないんじゃね?
というわけで来年は午後8時ころに会場に行き、できれば夜通し八尾の通りをウロウロしようと決めました。
え?今まで通り早く来て、夜通し居ればいいんじゃないかって?
それはご尤もなんですが、それじゃ体力が持たないんです〜。

帰りは富士山の姿を拝むことが出来ました。
最後の最後にいいもの観た♪
最後まで読んでいただきありがとうございます。









