Camp Gear Impressions 17 “MUKA STOVE”(SOTO)

Camp Gear Impressions

キャンプ道具や装備を実際に見て、触って、そして使ってみた感想を紹介する「Camp Gear Impressions」
今回はSOTOのMUKA STOVEをレポートします。

SOTOのMUKA STOVE

MUKA STOVE(SOTO)

SOTOは愛知県蒲郡市形原町に本拠地を置く「新富士バーナー」のアウトドア製品ブランドです。
本業が工業用バーナーメーカーということもあり、特にアウトドアバーナーに定評があります。
製造はすべて国内で行われており信頼性が高いという点を含め多くのファンがいます。

SOTOに限らずバーナーは現在OD缶、CB缶等のガスストーブが主流となっています。
ガスストーブはなんと言ってもセッティングや操作が簡単で初心者にもすぐに使用できる点が魅力です。
とはいえガス器具は寒冷期においてドロップダウンにより火力が不安定になるという宿命があります。
そのため寒い時期のキャンプには低温下でも安定した火力が得られるガソリンストーブが向いています。
MUKA STOVEはSOTOの持つノウハウのすべてを投入したガソリンストーブであり、本体とガソリンタンクが分離されているので非常にコンパクト。
荷物のミニマム化が私の課題であることもあり、このMUKA STOVEをショップで手にとった瞬間に“欲しい!”と感じ、そのままフラフラとレジに行ってしまった次第です。

特徴

①タンク加圧式なのでプレヒートが不要
ガソリンや灯油を燃料とする器具の場合、タンクに空気圧をかけて燃料をバーナー本体に送る必要があります。
その手段としてはプレヒートの熱による加圧とポンプによる加圧の2つの方法がありますが、プレヒート式は使用して消火するとタンクが冷えてしまうため、再使用するときにはプレヒートからやり直す必要があります。
その点ポンプ加圧式はタンク内の圧力が下がってしまわない限り何度でも連続使用ができます。
プレヒート型のガソリンストーブ愛好家にとってはこのプレヒート作業はいわゆる“儀式の一つ”であり、それもまた楽しみであるのですが、私はより手軽に使いたいので今回MUKAストーブを選びました。

②レギュラーガソリンが使用可能
燃料はキャンプ用のホワイトガソリンを使用しますが、ガソリンスタンドで手に入るレギュラーガソリンも使用することが可能です。
ホワイトガソリンは4㍑で3000円前後しますがレギュラーガソリンなら1000円未満。
これはありがたいですね。

③圧力インジケーター装備

赤いラインが見えたら適正圧力 MUKA STOVE(SOTO)

タンクをポンピングする際にタンクの空気圧が適正になったかどうかがひと目で分かるインジケーターが装備されています。
ポンピングのやめ時が分かるので非常にありがたい!

④フレキシブルホース

タンクと本体をつなぐホースがフレキシブルなので、ポンプとバーナーの置き方をかなり自由に変えることができます。

④機能が集約されたコントロールダイヤル

点火→火力調整→消火及び緊急消火の機能を一つのコントロールダイヤルに集約。

⑤全炎集約型火口
バーナーの火口部は多くの穴が空き、さらに球状に盛り上がっているので広範囲にムラなく加熱することが可能。

使ってみました

●左からバーナー、ポンプユニット、専用ガソリンボトル(別売)

●ガソリンボトルにホワイトガソリンを入れます。

ガソリンはボトルに表示されている線の位置まで入れることができます。
空気圧をかけるので空気層がある程度ないとすぐに圧力が下がってしまうので入れ過ぎ注意!

●ポンプユニットを挿入し、しっかりと締めます

●コントロールダイヤルを確認

このときにコントロールダイヤルはLOCK状態(下に押し下げた状態)であり、なおかつSTOP位置であることを確認する必要があります。

●ポンピングによりボトル内を加圧

ポンピングは大きなストロークでゆっくり行います。
ボトル内の圧力が上がってくるに従って圧力インジケーターが飛び出してきます。
そのインジケーターの赤い部分が見えてきたらポンピング終了です。

圧力インジケーター
赤い線が見えてきたら適正圧力

●本体のホースをポンプユニットに接続します。

矢印のカプラーを奥にずらしホースを押し込むとすんなり入ります。
外すときもカプラーを奥にずらします。

●セッティングの完了。

 

セッティングが完了したらボトルとバーナーをできるだけ水平な場所に置きます。

●準備が整ったらいよいよ点火です。

まずコントロールダイヤルのLOCKを解除(上に引き上げる)します。

ダイヤルを“START”に合わせるとバーナーから空気音が出てガソリンが出てきます。

ダイヤルの位置はそのままで素早くチャッカマン等で火を点けます。
点火したらバーナー部が温まり炎が青くなり安定するまでしばらく待ちます。
炎がオレンジ色混じりから青一色に変わったらダイヤルを“RUN”に合わせます。
火力調整は“RUN”の範囲で行います。

●消火
消火はダイヤルを“STOP”の位置に合わせることで行いますが、何らかの事情で緊急に消火する必要が生じた場合はコントロールダイヤルを“LOCK”(下に押し下げる)するとすぐに消火します。

●収納
収納する場合はダイヤルを“AIR”位置に合わせてタンク内の圧力を逃します。
その後ポンプユニットをタンクから外し、残ったガソリンをガソリン缶等に移してバーナー本体とポンプユニットをキャリングケースに戻します。

強い火力

Whole Earthのケトル8分目ほど水を入れてMUKA STOVEでお湯を沸かしてみました。
火力は中程度に設定したのですが5〜6分でお湯がわきました。
これはかなり早いと思います。
気温は5℃くらいだったのですが安定した火力で燃焼します。
さすがガソリンストーブですね。

まとめ

MUKAストーブは非常にコンパクトで軽く、しかも火力が安定しているという点でいい買い物をしたと思いますが気になる点が2つ。

・風に弱い
バーナーに風防が付いていないので風に弱く、少し強めの風が吹くと炎が風下に流れ火力が分散するという欠点があります。
その点はメーカーもよく分かっているらしく製品にはアルミ製のウインドスクリーンが付属しています。
私は背の高い市販のスクリーンを買って使用しています。

・ダイヤルのモードが合っているか分かりづらい
ダイヤルを回すとき各モードの位置にしっかりと合っているかがイマイチ伝わってきません。
もう少し“カチッ”と位置が合ったことが指先に伝わると安心できるのになぁと思います。

最後まで読んでいただきありがとうございます。

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36年間キャンプに親しんできた管理人が、培ってきた経験やTipsを共有するためのブログです。

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