キャンプにおいて雨と風のどちらの影響が大きいでしょうか?
もう皆さんはおわかりですね。
そうです「風」です。
キャンプの予定日が近づいてくると、だれでも天気予報を気にしますがその対象は「雨が降るかどうか」がメイン。
風の強さを気にする人は意外と少ないと思います。
今回はキャンプに大きな影響を与える「風」について書きます。
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テントが飛んだ!
風については私も苦い経験があります。
2022年11月に沼津の港でのこと。
その日は到着時からやや強めの風が吹いていました。
風速で言えば5〜6m程だったでしょうか。
風は強くなったり弱くなったりを繰り返します。
場合によっては瞬間的にその倍くらいの強い風が吹くこともあるかと考え、以下の対策を行いました。
・ペグを長くて幅広の砂用を使用
・風上側ペグは2個使用し補強
・風上側はガイロープを2本使用し補強

その日の夜半過ぎ、風の音がますます大きくなり、テントのきしみも大きくなりました。
不安を抱えながらうつらうつらとしていると突然「ゴーッ!」という突風の唸りとともに「バン!」という破裂音。そして私の眼の前に広がったのは満天の星!
「今夜は星が綺麗だな…」
いや違うだろ、テントが飛ばされた!
時刻は午前2時過ぎ。
同行者のテントもキレイに飛ばされています。
私はその状況でも寝ているAさんをたたき起こして暗闇の中撤収を始めました。
Aさんのテントはフレームが破損し廃棄処分。
私のアストロドームは入院させ治療費が3万ほどかかりました(泣)
この時からキャンプ前には予定日の天気予報と併せて風予報を必ずチェックしています。
風速別影響と対策
風速 1~2 m/s(そよ風)
影響
木の葉やタープがわずかに揺れる程度。
焚き火の煙が一方向になびく。
特に設営や道具への影響はほぼなし。
対策
通常のペグ打ちで十分。
タープは軽く張ることで通風性も確保。
*このくらいの風が一番いいですね。何と言っても心地よい。
風速 3~4 m/s(やや強い風)

影響
タープやテントが少しバタつく。
時折吹くより強い風で軽い食器が飛び、軽量テーブル・チェアなどが倒れる可能性あり。
焚き火の炎が大きく傾き、火の粉が飛びやすくなる。
対策
テントの四隅と主要なガイロープをしっかりペグダウン。
タープは「風を受け流すような角度(低め)」に設営。
焚き火は防風板を活用し、燃えやすい物を周囲に置かない。
軽い食器等は風の陰に置く。
風速 5~6 m/s(木の枝が揺れる/旗がはためく)

影響
タープのバタつきが強くなり、ポールがしなったり外れたりすることがある。
テントが変形したり、弱いペグが抜ける可能性あり。
調理用のガスバーナーの火が安定しづらい。
テーブルの上においてあるものが飛ばされる。
対策
強力なペグ(鍛造ペグ)とガイロープを増やす。
タープはなるべく低く張る or 使用を控える(特にウイングタープ)。
テントは風上側を背にして設営する(入り口を風下に)
ガス機器は防風板や風除けを活用。
テーブル等高い位置にある壊れやすいものはテーブルの下などに移しておく。
*その後風が強くなる予報の場合は撤収を考え始めたほうが吉。
*風予報でこのくらいの風速の場合はキャンプをリスケしたほうが吉。
風速 7~8 m/s(樹木全体が揺れる/傘が差しづらい)

影響
タープがめくれたり、ポールが倒れる可能性あり。
テントが大きくしなり、ファスナーや生地への負荷増。
軽量ギアが飛ばされる。
焚き火・調理は非常に危険なレベル。
対策
タープは撤収を検討。使用する場合はAフレーム型で低く・風を逃がす設営に。
テントのガイロープをすべて張り、鍛造ペグでしっかり固定。
重い荷物をテント内に配置して重しにする。
外に出したテーブル・チェア・食器は片付ける。
壊れやすいものはケースや車の中に避難。
*撤収したほうが良い。
風速 9~10 m/s(台風の手前クラス)

影響
タープの使用はほぼ不可能。倒壊や破損の危険大。
テントの骨組みが折れる、ペグが抜けるリスク。
飛来物や倒木の危険もある。
人が風に煽られて歩きにくくなるレベル。
対策
キャンプ自体を中止・早期撤収するのが最善。
避難経路・車を近くに確保しておく。
やむを得ず留まる場合は、風下で風を受けにくい地形(林の陰、建物の裏など)を利用して最低限の設営にする。
夜間に強風が予想される場合は、事前にタープを畳み、テントのガイロープを増し締めしておく。
*こんな風が吹く場合はそもそもキャンプを中止して家でじっとしていたほうが色んな意味で生産的。
*キャンプ場に着いたときに強い風が吹いていた場合はスタッフに今後の風の傾向を確認し、さらに強くなるようなら潔く帰宅しましょう。
まとめ
風予報はネットで「釣りのための天気予報」で調べることが出来ます。
ただそういうサイトで表示される風速は「平均風速」なので、瞬間的にはその倍位の風も吹きます。
このことを頭に入れ、キャンプの可否を判断しましょう。
さらに時間の経過で風が「弱まる方向か強まる方向なのか」も併せて調べておく必要もあります。
これは週間予報で日にち単位の風の強さの推移で把握できます。
キャンプ当日より次の日に風が強くなる予報の場合は要注意です。
強風でテントやタープが飛ばされると楽しいキャンプが一瞬にして残念な記憶に変わります。
さらに道具が破損したりとその被害は結構大きなものとなります。
転ばぬ先の杖。
キャンプに出かける前には「風予報」のチェックをお忘れなく。
最後まで読んでいただきありがとうございます。
風速(m/s) | 状況の目安 | 影響 | 対策 |
---|---|---|---|
1m~2m | そよ風 | なし | 特になし |
3m~4m | 旗が揺れる | 軽いギアが倒れる | タープ低めに設置 |
5m~6m | 木の枝が揺れる | タープ・テントがしなる | ペグ・ガイロープ強化 |
7m~8m | 傘がさせない | タープ倒壊リスク | タープ撤収・テント補強 |
9m~ | 台風手前 | 設営維持困難 | 撤収・避難検討 |