ハンモックキャンプのススメ

キャンプあれこれ

最近にわかに話題に登るようになった”ハンモックテント”。
今回はこのテントを使ったキャンプについて考えていきます。

ハンモックキャンプとは

ハンモックキャンプとはその名の通りフィールドに設置したハンモックテントで寝起きするキャンプスタイルです。
テントがハンモックになるだけでそれ以外は通常のキャンプと変わりませんが、ハンモックのサスペンションを固定するための立ち木が必須となります。
(現在はハンモックを吊るフレーム付きのものもあります)

ハンモックテント

ハンモックテントは軽量であり収納状態がコンパクトになるので、ソロキャンパーやバイクを使ったツーリングキャンパーに最適なテントです。
ハンモックテントは現在多くのメーカーが取り扱っており、サイズ、材質、固定方法などいろいろな種類があるので自分のスタイルに合ったものを選ぶことが大切です。

ハンモックテントの構成
ハンモックテントは以下の要素で構成されます。
・ハンモック本体
・サスペンション
・ツリーストラップ
・モスキートネット
・フライシート

①ハンモック本体

形状
ハンモックには吊るすサスペンションの数によりいくつかの形状に分けられます。
・1点式
・2点式
・3点式

〈1点式〉

1点式ハンモックというのは所謂ハンモックチェア的なテントです。
テントを1本のサスペンションで吊るタイプ。

〈2点式〉

ハンモックと言われてすぐにイメージできる一般的な形状のハンモックテントです。
収容できる人数は1〜2名。
ただ2名だと体がくっつくことになるので結構窮屈です。
最近はフラットフロアになるハンモックテントもありますが、当然重くなり収納時も大きくなるので携帯性が悪くなります。

〈3点式〉

本体を3つのサスペンションで支えるタイプ。
形状は必然的に三角形になります。
このタイプには2〜3名が就寝できるものもあり、フロアもフラットに近くなるので居住性が高くなる反面、都合良い位置に立ち木が必要になるのでサイト探しが難しくなります。
また当然ながら大きくなるのでかさばるし重くなりますね。

■素材
ハンモック本体の素材は大きく3つに分けられます。
・コットン
・ナイロン
・ハマクテック

〈コットン〉
コットンのメリットは肌触りが良く吸湿性が高いこと。
デメリットは吸湿性が高いので濡れるとずっしり重くなり、感想にも時間がかかる点です。
また乾燥時の重量もあり携帯性に欠けます。

〈ナイロン〉
ナイロンは摩擦に強く耐久性が高いので生地を薄くできます。
そのため軽く収納時もコンパクト。
デメリットは吸湿性がなくベタつく感じがすることと、紫外線によって劣化が早くなることが挙げられます。

〈ハマクテック〉
聞き慣れない素材のハマクテック。
これは家の軒先に吊るしっぱなしにできるハンモックのために開発された素材です。
摩擦に強く耐久性、耐紫外線性、耐水性が高い。
さらに速乾性もあり、アウトドア使用のハンモックには最適な素材です。
デメリットとしてはこの素材を使用したハンモックの数が少なく、使用目的に合うものがなかなか見つからないという点です。
今後増えてくるとは思いますが、キャンプブームが終わった(終わってはいませんが)と言われている現在、メーカーも出しにくいでしょうね。

②サスペンション

ハンモックを固定する重要なパーツです。
一般的な2点式の場合はハンモックの両端から出ているロープがサスペンションですが、これを木の幹にしっかりと固定する必要があります。
これが不十分だと使用しているうちに緩んでしまいいつの間にかハンモックが地面に着いてしまっていたり、最悪いきなりほどけて落下してしまうこともあります。
ハンモックによってはサスペンションが付属していないものもあるので、購入時には注意が必要です。
もしも付属していないのであればサスペンションシステムを購入しましょう。

③ツリーストラップ

サスペンションが細いロープ形状であった場合、木の表面を痛めてしまうことがあります。
それを防ぐためにツリーストラップを樹木に巻き付けてそれにサスペンションをつなぐようにします。

④モスキートネット

モスキートネットはハンモックに取り付ける虫よけのためのメッシュです。
これがないと蚊に刺されまくりで安眠などできません。
ハンモックテントには必須ですね。

⑤フライシート

フライシートはハンモックを覆って雨風を防いでくれます。
ハンモックに最初から付属しているものもありますが、そうでない場合は購入しておくことをオススメします。

ハンモックキャンプのメリット

・通常のテントより設営がカンタン
・テントサイトの地面の状態を気にする必要がない
・テントが軽量&コンパクト
・夏は涼しくて快適
・雨の心配がない夜は満天の星空が目の前に広がる
・ゆらゆらとした独特の浮遊感

①通常のテントより設営がカンタン
適度な立ち木があればハンモックテントの設営は一人で十分ですし短時間で完了します。
また設営がカンタンであるということは撤収も同様です。
さらに空中に浮く形になるので泥汚れがつかないこともありがたいですね。

②テントサイトの地面の状態を気にする必要がない
ハンモックなのでテントサイトが斜面であろうが石がゴロゴロしていようが関係ありません。
水平に吊るす事ができれば無問題。

③テントが軽量&コンパクト
基本的にポールもいらないしグランドシートも不要。
そのため軽量でコンパクトに収納できます。
リュックに詰めてもそれほど場所を取らないのでツーリングキャンプに最適ですね。

④雨の心配がない夜は満天の星空が目の前に広がる
雨の心配がない夜はフライシートを外して横になると満天の星空を見ながら眠ることができますね。
ただ、いきなり誰かから覗き込まれることも…こ、怖い…

⑤ゆらゆらとした独特の浮遊感
体が宙に浮いているので独特の浮遊感があります。
また体の上下を風が通るので快適な眠りが期待できます。

ハンモックキャンプのデメリット

・夜トイレに起きたとき色々めんどくさい
・冬キャンプでは暖房器具が使いづらい

①夜トイレに起きたとき色々めんどくさい。
就寝後にトイレに行きたくなったときなどシュラフから出て靴を履き、また戻って来てシュラフに潜り込むという、テント泊ならなんでもない動作が揺れるハンモックの上では結構骨が折れます。
特に寝ぼけた状態ならなおさらです。
これはもう慣れるしかないかと…

②冬キャンプでは暖房器具が使いづらい
寒い時期はテントやシェルターのような密閉空間がないので、薪ストーブ等の暖房器具が使えません。
全体を包み込む大きなシェルターの中にハンモックテントを入れてしまうしかないですね。
でもこれができたら冬キャンプも快適に過ごせると思います。

設営のポイント

①ハンモックを吊るすのに適度な距離にある立ち木の幹の自分の頭くらいの高さに、保護のためのタオル等緩衝材を巻きつける。
②緩衝材にストラップをしっかりと巻きつける。
③ストラップとハンモック本体、もしくはサスペンションを接続する
④ハンモックの中央に座ってみて、左右の傾きが等しいかを確認し、ずれていれば調整する。
⑤雨が降り続くと木からストラップを伝わって雨水がハンモックを濡らし、最終的にはシュラフも濡れてしまいます。
その対策としてストラップとハンモックのつなぎ目の部分に「雨返し」という器具を噛ませる方法があります。
「雨返し」はネットで検索すると見つけることができるのでワンセット購入しておくことをオススメします。

冬場のハンモック泊のコツ

ハンモック泊は冬場はストーブなどの暖房器具が使いづらいので結構寒いです。
それでも「俺はハンモックで寝る」という勇者に少しばかりのコツを…

・シュラフマットはシュラフの中に入れてしまいましょう。
・ホームセンターで売っている銀マットをシュラフとハンモックの間に入れて半分覆うくらいに巻くとだいぶ温かいですよ。
その際は銀マットの幅を適度なサイズにカットしておきましょう。
・シュラフはマミー型がベスト。
さらに足元がキツキツだと寒気が伝わりやすいので余裕を持たせましょう。
・タープのサイドを垂らしてハンモックを包むようにすると風をシャットアウトできます。
垂らすだけの状態で風に煽られるときはペグで止めるのも手です。
・「アンダーキルト」でハンモックを包みこんで保温性を上げましょう。
・湯たんぽや使い捨てカイロは総動員する必要があります。
ただし低温やけどにご注意ください。

まとめ

ハンモック泊は開放的でリラックスできるキャンプスタイルですが、慣れないとその開放感のあまり心細さも付いてきます。
特に女性の場合ソロキャンプではなかなかハードルが高いと思いますので、グループキャンプの時に挑戦するのがいいと思います。

最後まで読んでいただきありがとうございます。

Grandpa

Grandpa

36年間キャンプに親しんできた管理人が、培ってきた経験やTipsを共有するためのブログです。

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